四国へ下見調査に行ってきました! 1日目【徳島】
カジュアル着物を楽しむ人にとって、木綿着物は心強い味方です!
そんなファンの間で度々話題に上がる阿波しじら、知る人ぞ知る保多織。
今回はそんな反物が作られている現場を見てみたい!とのお声を受けて、
『四国 阿波しじら・保多織 ツアー カツオもあるよ』
という旅行を企画するべく、実際に四国を訪れて下見調査に行ってきました。
四国着物ツアーの下見と合わせて、今後海外のお客様へ四国ツアーをご案内できるように、観光名所の下見も行います。
今回の総走行距離は行って帰って1400km。
4日間で四国4県を一日ずつ回る事にしました。
1日目は徳島へ!
hirorinさんとベベママさんにご協力いただき、徳島市内を回ります。
着物を着ていると不思議な縁を引き寄せてくれるようです。
朝から早速面白い事が起こりました。
車中泊から目覚めて着物を着直していると現地のおじさんに話しかけられ、
着物が好きで着ています。今回は藍染と阿波しじらの勉強に来ました
と言うと、嬉しくなったようで、藍についてのトークが始まりました。
藍の花みるか?と言われ連れて行かれた先にこの鉢植えがありました。
こちらが藍の花です。
藍の植物は一年草で藍染の原料になるものは花が咲く前に収穫されてしまうので、畑では花を見ることはないそうです。
藍の花を見ることが出来るのは自生している藍か、種を取るために育てているもの。
そして、今度はおじさんの車から歴史の本が出てきました。
その昔、ここら一帯を治めていた三好長慶の着物の柄に愛の花が描かれていること、昔は藍染めの原料としてのすくもが税であったこと等、色々と教えてくれました。
最後に、四国を回るんだったらみんなに藍の花を見せてやれ、と一枝切ってくれました。
四国の人は親切な人が多いのか、朝からほんわかした気持ちにさせてくれた出来事でした。
それではいよいよ四国調査の始まりです。
まずはお遍路の一番札所、霊山寺へ向かいます。
早朝にも関わらずたくさんの方がお遍路へ旅立って行きました。
山門の両側には仁王様が佇んでいますが、こちらの仁王様はとても優しい表情をしていらっしゃいました。
本堂の吊り灯篭や天井の龍も素晴らしかったです。
八十八箇所巡礼、いつかやり遂げて見たいものですにゃ。
霊山寺の次は花見山心の手紙館を経由して鳴門海峡の渦潮を見に行きました。
鳴門大橋の下に作られた渦の道を歩いて渦潮の上まで行きます。
渦があちらでできては消え、こちらでできては消え、していましたが写真に収めるのが難しく…
渦潮の観察には渦の道から見下ろすものと、観潮船に乗って間近からというものがあるようです。
ラーメン等に乗っているあの「なると」もこの鳴門の渦巻にちなんで名付けられたと言われているそうです。
ラーメンが食べたくなってきたところで、次の目的地、ハイムラヤさんへ向かいます。
ハイムラヤさんは、トントンのきよみさんイチオシのお店、素敵なネットショップを構えていて、柄足袋のオーダーも受け付けています。
そんなハイムラヤさんに直接お邪魔したところ…
実店舗はありませんでした。事務所でした。
それでもはるばる来てくれたのだからと、阿波しじらや柄足袋の見本を見せていただきました。
本番のツアーではお伺いできるかわかりませんが、なにか考えたいと思います。
お昼ごはんは天ぷらが美味しいお店に向かったところ、駐車場の隅にある小屋で板前さんが何かを焼いていらっしゃる…
あれはもしや藁焼きのカツオでは?!
ということで天ぷらとカツオのたたきセットを頼まざるを得ませんでした。
だって美味しそうだったんだもの。
そして期待通り、とっても美味しい天ぷらとカツオを堪能できました。
午後からは阿波しじらを製造販売している長尾織布さんを見学します。
長尾織布さんでは糸を染めるところからすべて自社で行っているとのことで、糸作り、染め、綛上げ、整経、管巻き、織り、等々、全てを見学することができます。
阿波しじらのあの独特な肌触りを楽しめる凹凸はどの様に生み出されているのか
織物が出来上がる工程をしっかりと学ぶことができます。
面白かったのはこちらの織り機。
レピア織機という革新織機ですが、織る前の経糸は綺麗な青色です。
しかし、横糸が入って織り上がった側は赤や紫のような全く違う色に!
経糸と横糸の色の組み合わせで無限の表現が出来る織物、奥が深いですよね!
お次は藍染について学ぶため、藍の館へ。
徳島県は藍の生産量が日本一!
というかもうほとんど徳島でしか作られていないそうです。
藍染は鮮やかな青や深い青が特徴の草木染で、昔より虫よけや蛇よけにもなると言われています。
藍染自体は津々浦々ありますが、原料のすくもはまず徳島産。
藍の館では藍染の歴史や藍の育て方、すくもの作り方、藍玉への加工、そしてそれが全国へ渡っていく様子を学ぶことができます。
ここの展示もなかなか凝っていて、藍作りの工程を和紙でできたミニチュア人形で再現されています。
近代化に伴い、科学染めの藍が台頭してきても、徳島の藍農家の方々は自然の草木染の藍こだわり、プライドを持って生産を続けてくださったおかげで、今でも藍染の手法が全国に残っているそうです。
藍染の着物が欲しくなったところで、本日の活動はここまで。
本番のツアーではどのように回ろうか、色々なアイディアを出しながら仮の予定を組んでみます。
夕食はご当地グルメの徳島ラーメンを頂きました。
すき焼きのような甘辛いスープをベースに豚骨の旨味が加わり、チャーシューの代わりにバラ肉が乗った徳島ラーメン、なかなか美味しいラーメンでした。
学生の頃はこれに餃子とライスをつけても余裕で完食できていたはずですが、今日はラーメン一杯だけにしておきます。
お腹を満たしたら、次は香川県に向かって車を走らせ、明日は保多織や本場讃岐うどんを堪能します!